60代からのピアノ〜認知症予防へ〜

ピアノは本当に脳にいいの?母の認知症予防の為にピアノの先生である筆者がピアノを教えている母の記録です。

6/14(水)のレッスン

今回は毎回やっているノートの音程の宿題はやらなかったとのこと。
大好きな外仕事で忙しかったらしい。

トマトやキュウリや花の世話は暖かい季節の母の大切な楽しみだ。

今日のバーナム

和音を掴んでから、両手を鍵盤の中央から外側に移動する練習。

和音の後は単音なのでなんとか弾けるが、次の小節でまた和音を掴むのにタイミングがいつも遅れる。

なので、早目に前の音を早く離し、ペダルで保持しながら次の和音を用意するようにアドバイス

そう簡単に手も足もなんてうまくいかないよね。という訳で今週はこれを課題として終了。

2曲目

またまたグルリット。
これはそんなに苦労せず弾けていた。
なので、少しだけハードルを上げて速さを上げて指定。

そして聴音。
実は聴音の前に必ずやっている事がある。机の上に紙鍵盤を置いて、ドレミファソの場所に5本の指を置く。

で、私がピアノでドレミファソと弾きながら声を出すので、母には紙鍵盤の上で同じ事をやってもらう。

ドレミファソ
ソファミレド
ドレミレド
レミファミレ
ミファソファミ

などと、指、口、耳を使ってを連動させるための訓練。あと5つの音の短期記憶も兼ねている。
最初はパターン化したものから始めるが、徐々に「ミソファソド」のように覚えにくいものも織り交ぜていく。

そして少し耳を慣らしてから聴音。

今日はこの二問

問題はいつも私がその場で作ったもの。
今日はノートの宿題をやらなかったので聴音は少し難し目のものにした。

上の問題は3拍を数えるのがなかなか慣れず苦戦。3拍長い音符の後に出てくる八分音符は体感的に速く聞こえるのでこれまた苦戦。

下の問題は8分の6で苦手な人は全然駄目なのだが、母はリズムは理解できる。
ただ同じ音が続くと(ドードとかレーレの部分)、いつも違う音と認識する。

ドードが、ドーレに聞こえるらしい。
同じ音でも長さが変わると違う音に聞こえるらしい。

リズムは写真撮るの忘れちゃった。

今日のレッスンは40分。

この後は二人で買い物に行きました^_^

水曜日

今日の幸子さん(母)のレッスン。

まずバーナムから

付箋の66はメトロノーム表示です。
ちゃんとメトロノームを使って練習していたようですが、結構ずれてましたので、

『合ってないのわかる?』
と聞くと、

「なにが?」
メトロノームとずれてるの』

「ああ、そこね。わかんない」

という訳で、深追いせず一緒にメトロノームに合わせながら片手ずつ一緒に弾いて、最後もう一度両手を弾いてもらうと、8割合うようになったので合格。

2曲目はグルリット

これは結構弾きなれてきて、まずまず弾けるようになってきたのでこれも合格。
スラーの切れ目のブレスを先週しっかりやってみたのですが、やはり自力だと難しいようでした。
でも毎週しっかりやり過ぎると、嫌になるので今週はこれでOK。

次は音程の問題。これは別に出来ても出来なくてもピアノを弾く事には直接関係ないのですが(あくまでも母レベルの話)、問題を解く、という行為そのものが頭の体操になるのでなんとなく続けています。

今週は100点。
よし。

そして聴音

1問目はシンコペーションのリズムで、同じパターンが繰り返されるもので出題。
一つ決めているのはド〜ソの範囲のみの音を使うこと。
これはそんなに苦労せず出来ました。

で、2問目。
あまり慣れていない八分音符の連続から始まる曲なので、速さに面食らい
「何がなんだかわからない」

うん。だよね。

私は一回のレッスンで、一つ山場を作るようにしています。
今週はピアノをあまり突き詰めず、さらっと終わらせて、聴音で難しいものを取り入れて悩んでもらいました。

何度も指を折って数えて、の繰り返しでなんとかクリア。

これは疲れたようなので、最後のリズム練習は簡単なものを2問。

あ。途中でもう一つやってた事がありました。
ピアノの椅子に座ってもらい
私が目の前でドの音を鳴らすと
「ドレミファソ」と瞬時に言う練習。

レだったら「レミファソラ」

つまり最初に提示した音から5つ順番に「ひと息」で「しゃべる」練習です。

滑舌も悪くなってきてるので、お口の体操になる事と、瞬間的に5の言葉を頭の中でまとめて口に出す、というのは結構頭を使います。

今日は全部で約40分。

レッスンが終わった後、二人でゆっくりお茶を飲んだりするのですが、いつもカミカミの言葉が多い母ですが、レッスン直後は喋りが少し流暢になります。

効果あるんだなといつも感じます。

ご無沙汰してしまいました

あまり張り切って出来もしないくせにあれもこれもと欲張ると駄目ですね。

幸子がレッスンをはじめてから、数年経ったので、それまでの軌跡を上手くまとめれたら…なんて思ったのが間違い。
やめ、やめ。

とりあえず毎週水曜日の午前中に行っている今日のレッスン。

まず音程の宿題
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惜しい。80点。なんと1問間違えると20点の減点。
1番左、減5を最初完全5度と書いていました。

次、バーナム

元気よく!は難しいけど、リズムと音は大体あってる。よいねよいね。

ただ、

4小節目のこれね。
次の段の心の準備したいよね。
でもこれ2つしか伸ばせないから、6つ伸ばすのは止めようね。

次聴音
毎回2問
昨日遠出して、いっぱい歩いたので今日は疲れているだろうと思い、今日は易しめに。

1問目はドレミファソと並んでいるからわかりやすい。
ただ、2小節目にほんの少しスパイスを加える。
案の定2小節目で苦戦。
4拍目が「タッ」ってきこえるらしいので、8分音符が出てきたと思ったらしい。

2問目は
「なんだか複雑だ!」と騒ぐ。
1〜3小節まで同じリズムだと教えると「なーんだ」と落ち着いた。


次リズム

聴音と同じ理由から、易し目の問題を2問。もうこの位は自力でリズムとれるが、2問目のタイはまだ難しそう。

今日のレッスンは約45分でした

16分音符のリズム打ち

16分音符ってこれです。

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「タタタタ」っていうの。速いの。

これが、うちの幸子さんは本当に苦手でいまだに苦手。

私はこういう速い音符(連符という)の時は言葉にあてはめてやることにしている。

4つあるから「しろくま

しろくま」で一拍。

 

しろくま」と言いながら手を4回叩くのだが、口と手が合わない。というか、口と手がずれてることがわからない。口で発する言葉と手の動きが結びついていない。全く初めての作業に幸子の脳と手の神経が驚いているのがわかる。

「今できないのは当たり前だけど、意識だけはしていて。そのうち少しづつ結びついていくから」と説明する。

このフレーズは幸子の時には特に良く使う。これは5年経った今だからこそ立証できる。本当に少しづつ結びついてくるのだ。

幸子本人も「できるようになると思わなかった」とよく言う。

幸子曰く

「最初の頃は本当に何がなんだかわからなくてあんた(私のこと)が速くタタタタやってるのは聞こえてはいたけどぼんやりだった。今は一つ一つタタタタが聞こえるようになってきた」という。

そうか。「ぼんやり」だったんだ。

聞こえるようになってきてよかった。

 

 

両手のリズム打ち

リズムも少し進んでくると、両手になってくる。

幸子は片手で「たんたん」やってるうちは余裕の表情でやっているが、初めて両手になったとき

「あっらーー」

と言った。

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こんな感じで、2拍目が左手1回に対し、右手は2回。これが出来たら4回ほど繰り返す。最初は絶対できないので、私が合わせ鏡のように対象に一緒に叩く。そうするとつられてそのうち出来るようになってくる。

 

で、そのうち自分が「どっちの手が何回打ってるのかわからない」という状態になってくる。そうなったら最初はそれですぐおしまい。また次週やることにする。

 

意外と左手の四分音符の速さを保つのは難しい。これはやってみないと実感はわかないだろう。どうしても速い方のリズムにつられてしまうものである。

 

老眼と楽譜

もうね、いつも思う。

大きくて、子供用じゃない、超初心者用の楽譜ないかなーって。

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こういうやつ。

横長で、中身が二段しかない大きく印字されている楽譜。

「こどもの」とか、うさちゃんとかにゃんにゃんとかつかないやつ。

 

私は最高齢90代の方までレッスンしたことあるのだが、皆さん必ず大きく大きく拡大コピーしている。うちの幸子の場合は私のおさがりのコピー機で自由にうちでコピーできるからいいものの、コピー機がない場合はコンビにに行かねばならない。

 

80代の方の時に至ってはもはや私が手書きで古賀政男先生のメロディーを書いて、両手用にアレンジしていた。あるかないかの楽譜を探すくらいなら自分で書いた方がよっぽど早かった。

アレンジといっても左手は全音符にするくらいだけど。

「大人の」とか「シニアの」とか「ほんとに1からの」とか魅惑的なサブタイトルの元に出版されている楽譜は多いが、私に言わせると難しい。楽譜も小さくてみづらい。やたら印字が大きいのは幼児用。

 

うちの幸子に至っては老眼+違う目の病気(病名長くて忘れた)で、本当に見づらい。

日によって目の調子が良かったり悪かったりするので、そういう場合はなるべく楽譜も鍵盤も見ないでドレミファソファミレドーくらいの指を動かすようにしてもらっている。

 

ちなみに目をつぶって鍵盤をイメージして弾くのは練習としては有効である。

体で鍵盤の距離感を掴む訓練になるのだが、目ばかりに頼るとそれが養われない。それに目を使わない分聞く事に集中できる。目が疲れた時にはおすすめ。

衝突

今でこそ全くといっていいほど無くなったが、最初の頃はぶつかることがあった。

幸子の入門書にはバイエルを使った。

私が幼少期に使っていたものである。

↓これ。かなりの年代物

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当然レッスンなんだから注意とか、アドバイスとかあるわけでそれを楽譜に書き込んだら

「汚れるから書かないで」

 

はあ?!

え?じゃあなに?言った事全部覚えてられるわけ?楽譜にはハナマル💮しか受け付けない訳?っていうか、これ元々私の楽譜だし!

 

っていうのも頭に即座に思い浮かばないくらいあまりに驚いて絶句した。

ようやく出て来た言葉が

「・・・・・あ、そう」

勿論「この楽譜はぴちちが小さい頃に初めて使った大切な楽譜だから・・」とかそういう感傷めいたものでは断じてない。単純に今となっては幸子の物になった楽譜が私の書き込みによって「汚される」のが不快だったのである。 

 

この後どうなったのか記憶にない。でも軽く言い合いしたような気もする。